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ヤズ トモヒロ

の旅行記

1日目

 

集合時間に間に合いませんでした。

 

言い訳をさせてもらうと、僕の乗った新幹線がどういうわけか名古屋で40分近く停車するものだったため通常より大幅に遅れて新大阪に着いてしまい、結果遅刻しました。

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早歩きでかに道楽のデカ蟹の前を横切りながら大和屋に急ぎ約15分遅れで到着しましたが、なんともう一人遅れて来る男がいたようでシンパシーを感じずにはいられませんでした。

僕はタコ焼きには目がないのですが本家大たこのタコ焼きには「タコが大きすぎるためにタコ焼きの形が崩れてしまう」という初めての経験をさせられました。恐るべし本家。

大量のつまようじは複数本同時に刺して使うことで口に持っていく際にバランスを取りやすくしているのではないかと思いましたが真意は分かりません。

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街を歩いているときもどういう経緯でそうなったのか分からないような光景を目にしたり、大阪に着くなり度肝を抜かれっぱなしでした。

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The ドラえもん展で最も印象に残っている作品は嶋池朋子さんの「しずかちゃんの部屋」です。作品のスケールや毛皮を画材に使用した発想も驚きですが、この作品が展示されていた前の部屋で彼女が豪雪の中「ドラえもんのうた」を熱唱するという映像作品を見ただと「なぜこの作品だけでは不足だと思ってしまったのか」という疑問がどうしてもぬぐえなくなってしまいました。

佐藤雅晴さんの「かくれんぼ」も妙な寂しさがあって心に残っています。

 

実は海生生物が大好きな僕は海遊館ではしゃぎまくっていました。国内でもジンベエザメが見られる水族館は多くないので眼球に焼き付けて帰ろうと決心してゲートをくぐりました。

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思わず「なんだァ?てめェ…」と口走ってしまいそうになるほどの煽り性能の高さが

エイの裏側にはあります。シュミラクラ現象だと頭ではわかっていても人間を嘲笑している顔のようにしか見えないのは僕だけでしょうか。

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僕の生まれ育った山口県下関市はフグの集積地として有名で、全国で水揚げされる天然のフグの実に8割が集められます。それに関係があるのかはわかりませんが僕はフグを見るのも食べるのも大好きです。水を吐かされるフグの画像で半日は潰せます。あまりにもかわいい。ハリセンボンは膨らんでいてもいなくてもかわいい。

 

夕飯には串カツを食べました。やっぱり紅ショウガが一番おいしい。フィールドワーク中に怪しげなゲームセンターを発見し中に入ってみると、そこには数々の名筐体とひしめき合う外国人観光客がいました。中には「ストリートファイターシリーズ」往年の改造筐体、通称「レインボー」もありました。大阪に来てまでゲームかよとおもわれるかもしれませんが僕もゲーマーの端くれ、何か爪痕を残して帰りたいと思い、おもむろに100円玉効果を取り出し名作「スーパーマリオブラザーズ」の筐体に入れました。おなじみのBGMとSEが耳をくすぐり、地元の通学路が如く見知ったコースを進んでいきます。スーパーキノコ→ファイアフラワーと順調にアイテムとコインを摂りノーミスで1-1をクリア。続く1-2の地下面でショートカットを決めようと思っていた次の瞬間画面が暗転しスタンバイ画面になっていました。残機も3あったはず。まあ古い筐体なのでこういうこともままありますよね。機械に目くじらを立てても仕方がありません。気を取り直してもう一度100円を入れて遊びましょう。

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結果は全く同じでした。

 

200円返せ。

返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ返せ

 

 

通天閣内にはビリケンさんのご本尊(?)が置いてありました。

しかし新世界で目にした他のビリケン像と見比べるといくつか不可解な点が浮かび上がってきました。

ビリケンさんは足の裏を投げ出すようなスタイルの像が一般的で、そのご利益は足の裏にあると僕は思っていました。だからここを訪れる人は皆一様にビリケンさんの足を執拗に撫でまわすのだと。先代のビリケン像は撫でられすぎて足の裏にくぼみができていたらしい。実際に新世界で見かけたビリケン像はその多くが下の写真のご本尊と同じスタイルでした。

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しかし中にはこの神聖な足の裏を見せないような造りのものがありました。

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少しわかりづらいかもしれませんが、これらのビリケン像は四つん這いになってこちらを見下ろしています。これでは足の裏を触るどころか目にすることさえできません。

またこんな姿のものもありました。

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なんと地に足をつけてラオウの最期だとでも言わんばかりに直立しています。絶対に足の裏は触らせないという強い意志さえ感じられます。本来のビリケンさんのご利益の源を蔑ろにしてまで多岐に変化するビリケンスタイルにはおどろきました。

 

2日目

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マンガ好きを自称している割にはこういった学術的なマンガ施設にほとんど足を運んだことがない男が京都国際マンガミュージアムに来ました。中に飾られている巨大火の鳥は圧巻でした。仏像の技法(寄木造、玉眼)が使われているそうです。学習漫画が日本独自のものだというのは初耳でした。現在週刊少年ジャンプで連載されている「Dr. STONE」を見ると確かにその分野の進歩が感じられると思いました。

竹宮恵子カレイドスコープ展では顔のいい男がいっぱいいました。勝負の世界では自分の優れた部分で戦い、苦手なフィールドは避けるべき、というのが鉄則だと思っていたのですが竹宮恵子さんが自身はSFというジャンルが苦手だと自覚した上で「地球へ…」などのSFの傑作をを書き上げられているのを見ると、必ずしも上記の鉄則が通用するわけではないと思い知らされました。

黄金期の週刊少年ジャンプをこの目で読むことができたことは一生忘れません。

案内していただいた研究員の伊藤さん、本当にありがとうございました。

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昼食は施設内のけふぇでカレーを食べました。迷ったらカレー、常識ですね。店内には数多くのマンガ家のサインが書き連ねられていて知っている名前を見つけるたびに感激していました。

太秦映画村では入って早々仮面ライダーゾーンに夢中になりました。

歴代の平成ライダーの変身音が流せるコーナーの前に張り付いて「仮面ライダーキバ」の変身を6回くらい真似しました。

 

ガブッ!

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忍者ショーの演者の方々は数々の時代劇で殺陣をやられていた人もいたらしく、活劇の部分は本当に圧巻でした。トークも軽快で場数の多さが見て取れました。

テキストです。ここをクリックして「テキストを編集」を選択して編集してください。

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なんと週刊少年ジャンプにて吾峠呼世晴先生により連載中で現在アニメが絶賛放送中の「鬼滅の刃」のキャンペーンイベントが京都で行われていました。すべてをかなぐり捨ててスタンプラリーに興じたい衝動が沸き上がってきましたが流石にまずいのでぐっとこらえました。何がまずい?言ってみろ。

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射的だけはしっかりと楽しみました。気分は不死川玄弥です。

京都国立近代美術館では「ドレスコード?着る人たちのゲーム」展を鑑賞しました。

北九州市の成人式が一つのファッションの潮流として扱われているのは驚きでした。僕の地元の成人式も(北九州が目と鼻の先にあるからかもしれませんが)ほとんど同じ光景だったので僕の地元が脚光を浴びる日もそう遠くないと思いました。

 

その日のフィールドワークは鴨川周辺を散策して過ごしました。京都の路地の雰囲気がたまらなく好きで、繁華街が近いこともあって怪しいムードの場所もありましたが時間の許す限り歩いていたかったです。夕食は男子全員で入ったお店で高級牛丼をいただきました。ネギが最っ高においしかったです。これが本場の九条ネギか。その後植木健と抹茶かき氷デートを楽しみ2日目を終えました。

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雰囲気最高。

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ネギ最高抹茶最高。

3日目

 

手塚修記念館で「いのまたむつみ展」を見学しました。幼少期にアニメ「鉄腕アトム」のビデオを、中学時代には漫画「ブラックジャック」そして高校時代に「ブッダ」を見て読んで育った僕にとっては宝の山でした。売店で売られていたブラックジャックの「医者は何のためにあるんだ」シャツが欲しかったのですが出費の関係で泣く泣く見送りました。いのまたむつみさんのイラストも眼福でした。テイルズは最高ですね。

宝塚大劇場では絶対に目にしないと思っていた「戦国BASARA」という文字にくぎ付けにされました。そんな面白そうなコラボをやっていたなんて全く知りませんでした(ワンピース歌舞伎感があるような…)。

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昼食は劇場内でカツカレーを食べました。迷ったらカレー、常識ですね。

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神戸ゆかりの美術館にて「ヒグチユウコ展 Circus」を鑑賞しました。

何食べたらこんな世界観に至るのか不思議でならない、そう感じずにはいられませんでした。軟体動物ベースの生物が多かったせいかどことなくクトゥルフ神話が連想され、同時にゲームの敵MOBっぽいとも思いました。Bloodborneで見た。

ポケットモンスターシリーズのイーブイの進化系統が作品として描かれていて目を疑いました。しかもかわいらしい感じなどは全くなく、どのブイズも虚無を感じさせる目つきをしていて少し怖かったです。

出口に設置されていたガチャでは狙っていた「ひとつめちゃん」を出すことで来たので満足です。ソシャゲ中毒者なのでこうして定期的にガチャを引いて脳汁を出しておかないと禁断症状で手が震えだすので、欲しかったものが出てくれて助かりました。

この子は現在自宅のデスクにトゲデマル(ポケモン)のぬいぐるみと一緒に仲良く鎮座しています。

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フィールドワークでは山側の北野異人館街を見て回りました。坂道が多くて3日目終わりの足にはきつかったです。個人的な一番の目玉は「Fate/stay night」「Fate/zero」の聖地であり遠坂低のモデルとなった「風見鶏の館」でした。

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時間の問題で中には入れなかったので次こそは入ってみたいです。

元より 飛行機の予約などしておりませんので。

異人館街に大使館跡などだけでなく、ユダヤ教やジャイナ教の施設があったのは意外でした。

4日目

森野サンプルにて食品サンプル制作。僕は何かを作り上げるということがあまり得意な方ではないですがそれは制作に全力を出さない理由にはなりえませんパフェのサンプルを作るにあたってまずは素材となる果物選びから。弘法筆を選ばず、という諺がありますがこれは誤りで弘法は誰よりも厳しく筆を選んでいたという説があるそうです。果物に手を付けたときから戦いは始まっているのです。私が選んだのはマンゴーのみ。なぜなら他の人がやっているようにバランスよく様々な果物を盛り付けていけばおいしそうには見えるかもしれませんが僕の配色センスでは必ず後れを取ります。ならばどうするか?一極集中、マンゴーにのみ焦点を当てます。ただ単に奇をてらっているのではなく実際にパフェの中でも「いちごパフェ」のようにある一つの具材を前面に押し出しているものは一定の支持を受けているというバックボーンに加え並べやすい大きさ、形状のマンゴーのサンプルをふんだんに使い具材そのものの数を多くすることによってさらに目を引くものに仕立てることができると考えました。

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さらにマンゴーの実の中から並べやすい大きさ、形のものを厳選し慎重に並べていきます。ゴールは皮が裏返されている切り身の状態のマンゴー。

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あれを再現するべく放射状にマンゴーを置いていきます。

あえてソースをかけないという英断を下したのちに完成したものがこちらになります。

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美しい…。

今にも甘い香りが漂ってきそうなリアリティを伴った質感に思わず目が留まるマンゴーのインパクト。僕はこの日芸術を理解しました。

 

お好み焼き屋さんでは店員さんがマヨビームを撃ってくれました。マヨビームがきれいな弧を描いて鉄板を彩ります。サンプル制作を行ってから芸術家気質が抜けきらない僕は美しいマヨビームを撃ってみたくて仕方がありませんでした。店員の方は簡単そうにマヨビームしていたし僕のもマヨビームできるはずだと思い込み、挑戦してみました。しかし、マヨビームの発射口から出てきたのはマヨビームとは程遠いマヨネーズの塊でした。マヨミサイルとでも言うべきそれは僕のお好み焼きを蹂躙し、鉄板を地獄に変えました。マヨビーム道は奥が深いです。

 

実は来年の2月にも大阪に来る用事があるのでそのときにマヨビームの雪辱を果たそうと思います。

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